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2006年 09月 17日
先週、仕事のため、4日間オーストリアの都、ウィーン(Wien)にいた。
ハプスブルグ家の本拠地であり、ヨーロッパの文化の中心地なので、町中 どこを取っても歴史的エピソードにはこと欠かない。 市内見物の時間はあまり取れなかったが、旧市街のへそ、シュテファン寺院の カタコンベ(Katakombe 地下埋葬所)を見てきた。 2001年にも訪れたことがあるのだが、とても怖かったので、怖いもの見たさに、 友人を誘っての再訪である。 ガイドによると、今では観光客がぞろぞろ歩いているシュテファン広場のある 場所は、14世紀のはじめころから、市民の共同墓地であったそうだ。 この賑わいから信じられない話だ。 1713年、ペストがヨーロッパ中に蔓延すると、人々はここへ死者の遺体を運び込ん だ。その数が余りに多かったので、広場に設けられた穴から下へ遺体を投げ入れたと いう。 ガイドは、狭く、暗い迷路のような教会地下と、それに続く共同墓地の地下を案内 してくれた。案内が終わって明るい地上に出ると、そこには、モーツアルトの葬儀が ここで行われたと記した銘板が見える。思わず、映画『アマデウス』の大雨の日の 埋葬場面を思い出してしまった。 シュテファン広場の西側には、現代的なガラス張りのビルがあって、中世の教会と 面白いコントラストを見せている。 2001年にここを見学する前には、教会とは礼拝やミサをするところであり、祭壇画 や華麗なステンドグラス、彫刻、聖画に囲まれた美しい場所というイメージを持って いた。地下のカタコンベを訪れる前までは・・・。 地下には、壁という壁に聖職者の遺体の納められた棺が埋め込まれており、 この教会の場合には、1363年に亡くなったルドルフⅣとその妃の銅製の棺が 安置されている。そればかりではない。王家の人々の心臓を除く臓物がアルコール漬け になって銅製の壷に納められている。どの棚も、どの棚も黒ずんだ壷・・・。 内臓を取り出して保存するというのがスペイン式の埋葬方式であるとか(当時としては、 斬新的なやり方だったのだろう。) が、この辺になると、東洋人にはちょっと理解の及ばない部分であるようだ。 カタコンベの中は、暗く、ひんやりとしていて、何だかかすかに腐臭がする空間なの だった。美の極致である装飾品に囲まれた王室の方々も、ペストで死んだ一般の 市民もほど遠くない地下に眠っているのである。死者への扱いは、そっけないと言おうか 平等と言おうか。 この教会で結婚式を挙げたのは、モーツアルトだけでなく、ハイドンも、ヨハン・シュト ラウスも・・・。 写真 ↓ 西側正門のアーチを支える石柱のみごとなレリーフ。 グラーベン通りに 建つペストの死者の ための慰霊碑。 手前に見えるト音記号 の看板は 老舗の楽譜屋さん。 近くにあるペーター教会(St. Peter)の戸口の床。ベートーヴェンもこの場所を歩いた かもしれない。 そこここに歴史の足跡が感じられる町だ。
by tamayam
| 2006-09-17 21:12
| たび
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