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2007年 05月 11日
ロンドンの大英博物館で、有名なロゼッタ・ストーンやエジプトのミイラも
見ましたが、私が一番関心があったのは、東洋美術のセクション。中でも 日本の美術に関してどんなものが集められているのか興味をもち、上階の 日本の部門をていねいに見ました。 浮世絵や絵巻物も、本物の迫力は素晴らしかったです。 中でも、私の目を引いた二つの展示をご紹介しましょう。 1.ケンペルの『日本誌』 こちらに来てから、オランダが身近に感じられるようになりました。 ケンペル(E. Kaempfer 1651-1716)は、シーボルトと同様に、江戸時代に 長崎、出島にあったオランダ商館付き医師として、日本に来て二年滞在しました。 二人とも、ドイツ人。ケンペルは、北部のレムゴーという田舎町の出身。 1691年と92年に二年続けて将軍、綱吉に謁見している。 このページは、『日本誌』の英訳版の33ページ、「オランダ使節謁見の間」の図です。 本の後ろに見える伊万里焼の南蛮船の大皿の絵柄は、この時代の雰囲気をよく 表しています。柿右衛門の作品など、今まで写真でしか見たことがない作品が 見られてうれしかったです。 2.江戸時代の万年時計のそばに、からくり人形「茶運び人形」がケースの中に 入っていました。お茶碗を置くと、この人形は、しずしずとお客様の前まで運びます。 空のお茶碗を置くと、後ろ向きになって、元の場所に戻る仕組になっているそうです。 言ってみれば、現代のロボットの原型です。 人形の動きはここで。 江戸時代から、カラクリと言ってこういう細工物をよくする細工師がいたのです。 地方では今でも、お神輿やお祭りの山車にこういう人形が乗せられて、人々の耳目を 集めているようです。 日本のモノ作り精神 の伝統は、やはり 世界の人が注目する 美点の一つだなぁと 感動して眺めました。 よりよいモノを、 良心的に作る、 技術の粋まで極める、 使い手が使いやすい ように 細かい点にまで 気を配ってモノを 作る。 こういう伝統を世界の人が褒めてくださっているのです。 何か派手なパーフォマンスをしなくても、日本人というのは、コツコツと、ていねいに 仕事をする国民だと思われたら、それは、それですごいことなのではないかしら。 モノ作りの伝統は、ドイツにもありますが、最近では、マイスター制度もだんだん緩く なり、事情が変わってきているようです。 話はとびますが、日本の食料品のパックなどについている、小さな切れ目。パックを 開けやすいように、使い手の袋を開ける動作が想定済みなのですね。 ドイツのこの手のパックを開けるためには、ハサミが必要です。(だれが、常に ハサミを携帯しているのかっ!) 製造者は中身が絶対にこぼれないように、パックする人の都合だけしか、考えていない のです。こぼれずに、消費者のところに届けば、その後は使用者の自己責任。 ケチャップやマスタードの小袋を無理に開けようとして服や手を汚すたびに、 日本のパックの、あの小さな切れ目にこめられた製造者のやさしさを感じます。
by tamayam
| 2007-05-11 14:37
| たび
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