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2006年 08月 22日
ドレスデンから車で小一時間のところにマイセン(Meissen)がある。
前から行ってみたかったので、バスに乗って行ってきた。 最近は、幸いなことに、これが欲しい、あれが買いたいという気持ちが 薄れてきて、女性が欲しがる服飾用品にも、宝石にも興味がないtamayam だが、ただ一つ、心が騒ぐものがある。それが、陶器、磁器、ガラス器なのだ。 始末に困るほど持っているのに、 美しいものを見ると、心が ざわざわする。 特に気になるのは マイセンの代表的な意匠、 ブルー・オニオンのシリーズ。 オニオンに見えるのは、 実は、ザクロで、子孫繁栄を 表すらしい。そのほかに 大輪の花はシャクヤク(不老 不死)、モモ(富)、 タケ(名声)の意匠が 皿いっぱいに 描かれている。 贋物は50種類もあるそうだ。だから、マイセンのものには、ザクセン王の 紋章である双剣のマークが一つ、一つ手描きされている。 実は、tamayamもどこかの贋作の皿を所有していて、日々惜しげもなく使って いる。贋作だから、マイセンのマークはないが、この皿は、和風でも、中華でも 洋風でもよく合うので、大変気にいっている。 工房の見学中、一組の日本人カップルとご一緒になった。40代ぐらいの奥様が、 「またいつここに来るか分からないから、これを買います」ときっぱりおっしゃって ご主人を見上げると、ご主人は、ニッコリ微笑んで、レジの人を呼びに行かれる のだった。上品なご夫婦の買い物風景をみていると、私も買いたくなったが、 何しろ、ケタが違うのである。フルー・オニオンのティー・カップが1客、 350ユーロもする。(日本円で4万円ぐらい)。 ドレスデンに帰ってきて、ツヴィンガー宮殿の、磁器の間(Porzellansammlung) に行く。ザクセン王アウグストが、集めに、集めたり。 18世紀から19世紀の中国、日本の磁器の数々。日本でも見られない名作ぞろい。 柿右衛門もある、景徳鎮もある・・・・。 銀山からもたらされる富で一代にして莫大な財産を築いたザクセン王、アウグスト公は、 東洋の磁器にあこがれ、西洋でも同じような磁器が作れないかと考える。 その野望がマイセン磁器を生み出した。 そして、その白磁器の輸出がまた、新たな富みを生み、ザクセン公国は途方もなく繁栄 したのである。 人がものに執着したり、欲しがったりする欲望の果てしなさに、驚き、あきれ、感心し、 こういう物欲のかたまりのような、人間像は、故人だからいいようなものの、生きて、 そばにいたら、大変迷惑な存在だろうなあと考えた。 後世に遺す博物館や所蔵するための城が築けない者は、 やたらと物を集めちゃいけないなぁとひとりごちたのだった。
by tamayam
| 2006-08-22 05:07
| たび
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